メロディアvol.6  ご来場ありがとうございました

メロディア vol.6 コンサート
音楽のチカラ ─希望の光─ コンサートレポート*******************************************
2年前に5年目を迎えた節目として2台ピアノでのコンサートを華やかに開催し、新たな一歩を踏み出したメロディアのコンサート♫冷え込みが一気に厳しくなり、山々もうっすら雪化粧し始めた10月24日に信州国際音楽村のホールこだまにて開催致しました。前日の寒い悪天候から一転、最高に気持ちの良いお天気に恵まれて午前の部、午後の部とも会場には時間より早くから絶景を楽しむお客様の姿が見られました。演奏会は開催への感謝の気持ちを届ける挨拶から始まり、ショパン、リスト、ドビュッシー、などロマン派、近現代の作曲家のピアノ名曲が並びました。
ゲストにはファゴット奏者の小林信子さんをお招きし、なかなか聴く機会が少ないファゴット・ソロの演奏も聴かせていただけるという大変貴重なプログラムとなりました。
オープニングはショパンのワルツの中でも耳馴染みの「華麗なる大円舞曲」。齋藤寧子さんの演奏で会場を華やかに彩ります。ワルツのリズムに乗って優雅に場面展開がされていきました。

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2曲目は同じ調性でも対照的なノクターンop.55-2を木内愛菜さんが演奏しました。このノクターンはショパンの晩年に近い作品で、中間部のもの憂いからショパンの思いがひしひしと伝わり、ショパンの昇華される音楽の世界が会場を包みました。

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続いての大工原さやかさんの演奏は、フランスの作曲家のセヴラックの作品から「公園のロンド」「ショパンの泉」。
セヴラックはあまり知られなていない作曲家ですが、自ら「田舎の作曲家」と呼んでいたようにパリの都会生活に馴染めず田舎で穏やかな田園生活を送りながら作曲をしていたそうです。
その音楽は実に素朴ですが、音で描いた田園風景のようでくつろぎや安らぎを与えてくれます。会場からの景色と雰囲気にぴったりとマッチしていました。

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そして、セヴラックの音楽を「とても素敵な大地の香りがする」と評していたドビュッシーの「月の光」、リストの「ラ·カンパネラ」と名曲を木内愛菜さんが続けて演奏しました。「月の光」は「感傷的な散歩」というもう1つのタイトルがあることはあまり知られなていないかもしれません…静寂の中に美しく重なるハーモニーにうっとりさせられました。
続く超絶技巧の名曲「ラ・カンパネラ」は、会場に鐘の音が響き渡りました。
ピアノソロの最後の曲は大工原さやかさんの演で、ショパンのバラード第2番でした。この曲の最大の魅力である、冒頭の優しい牧歌的な部分と、突如として現れる嵐のような激しさの対比がドラマティックに表現されました。

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プログラムの最後は、小林信子さんによるファゴット・ソロで、サン=サーンスが最晩年の86歳の時に作曲したファゴット・ソナタでした。
コミカルなシーンでも活躍される事の多いファゴットですが、なかなかソロでの演奏を聴ける機会が少ない楽器でもあります。
小林さんが、ファゴットについてのお話をわかりやすくしてくださいました。
ベートーヴェンが「天からの声」とも表現した柔らかくて、渋みと温もりに溢れた独特な音色。
優美でお洒落なメロディと、洗練されたハーモニーの中で齋藤寧子さんのビアノとの対話が心地よく奏でられました。アンコールはファゴットとピアノ演奏による「ロンドンデリーの歌」。ノスタルジックな雰囲気に心が落ち着くひとときとなりました。

感染対策にご協力いただき無事に開催できました事に、心より御礼申し上げます。

(ショパン協会長野支部 理事 小井土愛美)

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